2010/07/01
から 樋尾コーチ

グーガを知ってる?

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チャンピオンに学ぶ≪シリーズⅡ クエルテン編≫

前回一押しで紹介した、フェデラーがウインブルドンでまさかの準々決勝敗退!(46.63.16.46ベルディハ)
フェデラーが全仏に続いてグランドスラム大会で準決勝にも進めなかったことをメディアは「王者に陰り・・」と評する向きもありますが、原因が故障でなければ次のUSオープンの覇者はきっとフェデラーであろうと私は思っています。
チャンピオンとしてグランドスラムで味わったことのないこの逆境は、フェデラーの今まで以上の高いモチベーションになるはずだからです。
フェデラーのことが気になって本題が遅れました。

さて、今日のチャンピオンに学ぶは2008年の全仏オープンを現役最後の試合として引退したグスタボ・クエルテン(ブラジル)です。
1997・2000・2001年の全仏オープンを制しているクエルテンを、はじめて見たのは2004年の全仏センターコートでした。私にとって初めてのグランドスラム観戦でしたが、それはテレビからでは気づかない多くの発見、感動がありました。

2Rでベルギーの選手との対戦(62.60.63で勝利、3Rではフェデラーにも勝利)で、まだ2回戦だと言うのに、センターコートは1万人を超える満員の観衆で埋まり、その誰もがクエルテンのプレー、クエルテンの仕草に暖かなエールを送っているのを感じるものでした。試合中度々起こる“グーガ(クエルテンの愛称)コール”はクエルテンとファンの結びつきを表す他のどんな選手にもない特別な現象だったと思います。

クエルテンは強かったからだけではない、多くの人に愛され、支持される魅力がありました。
その日も観客席の前列に生まれつき脳性麻痺の弟の席を用意し、いつも子供のときにテニスコートで亡くなった父親と家族・ファンのためにテニスをしたいとコメントし、感謝の気持ちを素直に表現する(2001年全仏優勝の時、コートにハートマークを描いてその上に寝転んだ有名なシーンも)クエルテンほど人柄で多くの人に愛されたチャンピオンはいなかったと思います。

全仏3回優勝が示すように特にクレーコートで力を発揮したクエルテンですが2000年には世界ランキング1位となるなど技術的にもオールラウンドなものでした。
特筆すべきは
1.殆ど全てをオープンスタンスで打つフォアハンド(体幹を使い、脱力したスイングでヘッドスピードを上げる)
2.ウイナーはバックのライジングでのダウンザライン(リラックスした同じ構えからポジションを前に移動して打つので相手に分からない)*テレビ画面からではなぜ決まるのか分からなかった
3.ドロップショットの名手(特にフォアで多用した)